「帳消しされた罪」 03−03−23
ルカ7:36〜50
罪をお赦しになる主イエスと出会った、ひとりの女性の物語です。
主イエスが、ファリサイ派のシモンという人の家に招待されて、
食事をしておられた時のことでした。「罪深い女」と呼ばれていた
女性がその家に入ってきたのです。それは驚くべきことです。
その家に入れば、規律を厳格に守ろうとするファリサイ派の人たちの
厳しく冷たい視線にさらされるのです。辛く、緊張することです。
それでも、この女性は主に向かって歩み寄っていきました。女性は、
主と出会い、主の言葉によって罪を赦される経験をしていたからです。
主が、どうする事も出来なかった罪を取り除いてくださった。そのことの
驚きと感謝で一杯の女性は、周りの視線からも解き放たれて、ひたすら
主をのみ見つめていたのです。そして、涙で主の足をぬらし、自分の
髪で拭き、持って来た香油を塗って、主をもてなしました。
その時、主は借金を帳消しにしてもらった者のたとえ話をされました。
それは、この女性のことを、返すことの出来ない借金を帳消しにして
もらって喜んでいる者としてご覧になっておられたからです。
主イエスとこの女性の出会いは、主と私たちの出会いの基本形でも
あります。ここに、私たちの身に起こった事も描かれています。
私たちも神さまに対して大きな負い目を抱えていました。それは、
自分では決して取り除くことが出来ないほどの、大きな借金とも言える
負い目でした。人は自分の罪や負い目によって、神さまに向き合う
自信を持てず、周りの視線を痛く感じたり、自分で自分を責めたり
します。
けれども、この女性をそれらから解き放った主イエスと、私たちも
出会ったのです。そしてこの女性と同じく、私たちも主から罪の赦しの
宣言を与えられて、今生きる者とされています。
私たちは、「為になる良いお話」をしてくださる方と出会って生きて
いるのではないのです。
「あなたの負い目を私が帳消しにする」とおっしゃって、
十字架に突き進まれた主と出会ったのです。